ビジネスチャットツールの二大巨頭であるSlackとMicrosoft Teams。どちらも世界中の企業で導入されていますが、「どちらを選ぶべきか」は多くの組織にとって悩ましい問題です。すでにどちらかを使っている企業が乗り換えを検討するケースも珍しくありません。
両者の最大の違いを端的に言えば、Slackは「チャットに特化した専門ツール」、Teamsは「Microsoft 365と統合されたオールインワンツール」という位置づけです。この根本的な設計思想の違いが、機能・使い勝手・コストのあらゆる面に影響しています。
この記事では、SlackとTeamsを機能・料金・外部連携・セキュリティなど多角的に比較し、どのような組織にどちらが最適かを具体的に解説します。

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基本コンセプトの違い
Slackの設計思想
Slackは「チャットを中心にワークフローを構築する」という思想で設計されています。チャネルという単位で会話をトピックごとに整理し、そこに外部ツールからの通知やBotを集約することで、Slackを見ればすべての情報が把握できる状態を目指しています。
2,600以上のサードパーティアプリとの連携が可能で、GitHub、Jira、Figma、Notionなど開発・デザイン系のツールとの統合が特に充実しています。
Teamsの設計思想
Teamsは「Microsoft 365のコミュニケーション基盤」として位置づけられています。Word、Excel、PowerPoint、OneDrive、SharePointなどのMicrosoftエコシステムとシームレスに連携する前提で設計されており、ドキュメントの共同編集やビデオ会議をTeams上でそのまま行えます。
チャット機能だけでなく、ビデオ会議・ファイル管理・タスク管理・Wikiなど多機能を1つのアプリに統合したオールインワン型のアプローチを取っています。
料金の比較
Slackの料金体系
- フリー:無料。メッセージ履歴90日間、外部連携10個まで
- プロ:月額1,050円/ユーザー(年払い)。履歴無制限、連携無制限
- ビジネスプラス:月額1,800円/ユーザー(年払い)。SAML SSO、データエクスポート
- Enterprise Grid:要問い合わせ。大規模組織向け
Teamsの料金体系
- Teams無料版:無料。基本的なチャットとビデオ通話(60分制限)
- Microsoft Teams Essentials:月額599円/ユーザー(年払い)
- Microsoft 365 Business Basic:月額899円/ユーザー(年払い)。Web版Office含む
- Microsoft 365 Business Standard:月額1,874円/ユーザー(年払い)。デスクトップ版Office含む
すでにMicrosoft 365を契約している組織では、Teamsが追加料金なしで利用可能です。この場合、チャットツールのコストは実質ゼロになるため、コスト面でTeamsが圧倒的に有利になります。
チャット機能の違い
チャネル・スレッドの使い勝手
チャネルの作成・管理については、Slackの方が直感的に操作できると評価する声が多い傾向にあります。Slackではチャネルの検索・アーカイブ・ピン留めなどの操作がスムーズで、大量のチャネルがあっても目的の場所にすぐたどり着けます。
Teamsのチャネルは「チーム」の配下に作成する構造のため、まずチームを選んでからチャネルを開くという2段階のナビゲーションが必要です。組織構造に合わせた整理がしやすい反面、チャネル間の横断的な移動はSlackの方が効率的です。
スレッド返信
Slackのスレッド機能は非常に洗練されており、メインチャネルの流れを保ちながら個別の話題を深掘りできます。スレッド内の発言をチャネルにも表示する「Also send to #channel」オプションも便利です。
Teamsのスレッド返信も基本的な機能は備えていますが、UIの構造上、スレッドが長くなると視認性が低下する傾向があります。

ビデオ会議機能の違い
Teamsのビデオ会議が強い
ビデオ会議の機能面では、Teamsが明確に優位に立っています。Teamsのビデオ会議は最大で数千人規模のウェビナーにも対応しており、背景ぼかし・ライブキャプション・ブレイクアウトルーム・録画・文字起こしなど、充実した機能が標準搭載されています。
Outlookカレンダーとの統合により、会議のスケジュール→招待→実施→議事録作成までの一連の流れがTeams内で完結する点も大きな利点です。
Slackのハドル機能
Slackにもハドルという音声・ビデオ通話機能がありますが、位置づけとしては「ちょっとした立ち話」程度の軽い通話向けです。大規模な会議や公式なプレゼンテーションには、ZoomやGoogle Meetなどの外部ツールと連携して対応するのが一般的です。
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外部連携・拡張性の違い
Slackの連携エコシステム
外部連携の豊富さと柔軟性では、Slackが圧倒的です。Slack App Directoryには2,600以上のアプリが公開されており、ほぼすべてのメジャーなSaaSツールと連携できます。
特に開発者向けツールとの連携が充実しており、GitHubのプルリクエスト通知、Jiraのチケット更新、CI/CDパイプラインの結果通知などを自動的にSlackチャネルに流すことが可能です。Slack APIやワークフロービルダーを活用すれば、ノーコードで業務自動化の仕組みも構築できます。
Teamsの連携エコシステム
TeamsもMicrosoft AppSourceを通じてアプリの追加が可能ですが、Slackほどのサードパーティ連携の幅はありません。ただし、Microsoft Power Platformとの連携が大きな強みです。Power Automate(業務自動化)、Power BI(データ分析)、Power Apps(ローコードアプリ開発)をTeamsから直接利用でき、高度な業務自動化を実現できます。

セキュリティ・管理機能の比較
エンタープライズレベルのセキュリティ要件に対する対応力は、両サービスとも高水準です。
- 暗号化:どちらも転送中・保存中のデータを暗号化
- コンプライアンス認証:SOC 2、ISO 27001などに両方とも対応
- データ保持ポリシー:どちらもカスタマイズ可能(上位プラン)
- DLP(データ損失防止):Teamsの方がMicrosoft Purviewとの統合で優位
Microsoft 365のセキュリティ・コンプライアンス基盤をそのまま活用できるTeamsは、大企業や規制産業での導入審査に通りやすい傾向があります。
パフォーマンスとリソース消費
デスクトップアプリのリソース消費に関しては、Teamsの方がメモリ使用量が多い傾向にあります。多機能であるがゆえの代償とも言えますが、スペックの低いPCではTeamsの動作が重く感じることがあります。
Slackも決して軽量とは言えませんが、Teamsと比較すると若干軽快に動作するケースが多いです。どちらもElectronベースのアプリケーションのため、Web版を活用してブラウザで使うという選択肢もあります。
用途別のおすすめ
Slackを選ぶべきケース
- IT・スタートアップ企業で開発ツールとの連携が重要
- チャットの使い心地を最優先したい
- 多様なSaaSを組み合わせて業務を回している
- Microsoft 365を使っていない(またはGoogle Workspaceを利用)
Teamsを選ぶべきケース
- すでにMicrosoft 365を導入している
- ビデオ会議を頻繁に行う
- Word・Excel・PowerPointとの連携が業務の中心
- 大企業で管理・コンプライアンス要件が厳しい
SlackとTeamsの両方を社内で併用している企業もありますが、情報の分散による非効率が生まれやすいため、可能であれば1つに統一することを推奨します。
まとめ
SlackとTeamsはどちらも一流のビジネスチャットツールですが、「何を最も重視するか」によって最適解が変わります。チャットの使い心地と外部連携を重視するならSlack、Microsoft製品との統合とビデオ会議を重視するならTeamsが適しています。
すでにMicrosoft 365を契約している組織であれば、コスト面でTeamsのメリットは非常に大きいです。一方、Google WorkspaceやMac中心の環境ではSlackの方が自然にフィットするでしょう。自社の業務環境を総合的に見て判断してください。
参考リンク:Slack公式サイト / Microsoft Teams公式サイト
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