従業員の出退勤管理は、企業にとって欠かせない基本業務です。しかし、タイムカードやExcelでの管理に限界を感じている方も多いのではないでしょうか。打刻漏れの確認、残業時間の集計、有給休暇の管理など、手作業で行うと膨大な時間がかかります。
クラウド型の勤怠管理ツールを導入すれば、打刻から集計、給与計算ソフトへのデータ連携までを自動化でき、労務管理の負担を大幅に軽減できます。働き方改革関連法への対応も、ツールの機能で効率的に行えるようになります。
この記事では、主要な勤怠管理ツールの特長と料金を比較し、企業規模や業種に応じた選び方を詳しく解説します。

勤怠管理ツールとは
クラウド勤怠管理の基本機能
クラウド型の勤怠管理ツールは、従業員の出退勤の記録をデジタル化し、リアルタイムでの勤務状況の把握や自動集計を可能にするサービスです。主な機能は以下の通りです。
- 多様な打刻方法:PC・スマホ・ICカード・生体認証など
- 自動集計:残業時間・深夜労働・休日出勤の自動計算
- シフト管理:シフト表の作成・共有・変更管理
- 休暇管理:有給休暇の残日数管理・申請・承認
- アラート機能:残業上限の超過警告や打刻忘れ通知
- 給与連携:集計データを給与計算ソフトへ自動出力
導入が求められる背景
働き方改革関連法により、時間外労働の上限規制や有給休暇の取得義務化が定められています。これらの法令遵守を確実に行うためにも、勤怠管理のデジタル化は企業にとって喫緊の課題となっています。特に従業員の残業時間をリアルタイムで把握し、上限を超えそうな場合に事前にアラートを出す機能は、法令遵守の観点から非常に重要です。
おすすめ勤怠管理ツール比較
ジョブカン勤怠管理
株式会社DONUTSが提供する、導入実績20万社以上を誇る定番の勤怠管理ツールです。出退勤管理・シフト管理・休暇管理・工数管理の4機能を必要に応じて組み合わせて利用できるモジュール方式を採用しています。
ICカード打刻、GPS打刻、LINE打刻など多彩な打刻方法に対応しており、オフィスワーカーから現場作業者まで幅広い業態をカバーします。
- 料金:月額200円〜/ユーザー(機能数に応じて変動)、10名以下は無料プランあり
- 強み:柔軟なモジュール方式、多彩な打刻方法、10名以下無料
- 向いている企業:幅広い業種・規模に対応(特に中小企業)
KING OF TIME
株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供する勤怠管理ツールです。打刻方法の種類が業界トップクラスで、指紋認証・顔認証・静脈認証などの生体認証にも対応しています。
導入企業56,000社以上、利用者350万人以上という豊富な実績があり、製造業・医療・物流など幅広い業種で採用されています。
- 料金:月額300円/ユーザー
- 強み:打刻方法の豊富さ、生体認証対応、高いカスタマイズ性
- 向いている企業:不正打刻を防止したい企業、複雑な勤務形態を持つ企業

freee勤怠管理Plus
freee株式会社が提供する勤怠管理ツールです。freee人事労務と完全統合されており、勤怠データから給与計算、年末調整まで一気通貫で処理できるのが最大の強みです。
- 料金:月額300円/ユーザー
- 強み:freee人事労務との統合、給与計算への自動連携
- 向いている企業:freeeで会計・人事を統一管理しているスタートアップ・中小企業
マネーフォワード クラウド勤怠
マネーフォワードのバックオフィスサービス群の一つです。マネーフォワード クラウド給与との連携により、勤怠データを自動で給与に反映できます。
- 料金:マネーフォワード クラウドの法人プラン料金に含まれる(月額2,980円〜)
- 強み:マネーフォワードシリーズとの一体運用、コストパフォーマンス
- 向いている企業:マネーフォワードでバックオフィスを統一管理している企業
HRMOS勤怠(旧IEYASU)
IEYASU株式会社が提供する勤怠管理ツールで、30名以下なら基本機能が無料で利用可能という破格の料金設定が特長です。スタートアップや小規模事業者にとって、コストを抑えながら勤怠管理をデジタル化できる貴重な選択肢です。
- 料金:無料プランあり(有料プランは月額100円〜/ユーザー)
- 強み:30名以下無料、シンプルなUI、段階的なプラン移行
- 向いている企業:従業員30名以下のスタートアップ・小規模事業者
タッチオンタイム
株式会社デジジャパンが提供する勤怠管理ツールです。初期費用無料、月額300円/ユーザーで利用でき、独自の打刻専用端末「タッチオンタイムレコーダー」を提供しているのが特長です。
- 料金:月額300円/ユーザー(初期費用無料)
- 強み:専用打刻端末、導入サポートの手厚さ、飲食・小売業への強み
- 向いている企業:店舗型ビジネス、パート・アルバイトが多い企業

選び方のポイント
打刻方法で選ぶ
勤怠管理ツールの選択において、自社の働き方に合った打刻方法が用意されているかは最重要ポイントです。
- オフィスワーク中心:PC打刻、ICカード打刻で十分
- 外回り・現場作業:GPS打刻、スマホ打刻が必須
- 店舗・工場:専用端末打刻、生体認証(不正防止のため)
- リモートワーク:PC打刻、Slack/Teams連携打刻
給与計算ソフトとの連携を確認する
勤怠データは最終的に給与計算に反映されます。すでに給与計算ソフトを導入している場合は、そのソフトとの連携がスムーズな勤怠管理ツールを選ぶことで、手作業での転記を排除できます。freeeやマネーフォワードのように、同一プラットフォーム内で勤怠から給与まで完結するサービスを選ぶのも有効な戦略です。
法令対応機能を確認する
働き方改革関連法への対応機能は必須です。具体的には以下の機能が搭載されているかを確認しましょう。
- 時間外労働の上限管理(月45時間・年360時間の可視化)
- 年5日の有給休暇取得状況の管理とアラート
- 勤務間インターバルの管理
- 36協定に基づく残業上限の警告機能
企業規模に合わせて選ぶ
企業規模による選び方の目安は以下の通りです。
- 10名以下:ジョブカン無料プラン、HRMOS勤怠
- 10〜50名:ジョブカン、KING OF TIME、freee勤怠管理Plus
- 50〜300名:KING OF TIME、タッチオンタイム、楽楽勤怠
- 300名以上:KING OF TIME、COMPANY(大企業向け)
導入時の注意点
就業規則との整合性を確認する
勤怠管理ツールの設定は自社の就業規則に合わせて行う必要があります。フレックスタイム制、変形労働時間制、裁量労働制など、自社で採用している労働時間制度にツールが対応しているかを必ず確認しましょう。
従業員への周知とトレーニング
ツールを導入しても、従業員が正しく打刻しなければ意味がありません。導入時には操作説明会を実施し、打刻ルールを明確に周知することが重要です。特に打刻忘れへの対応ルールは事前に決めておく必要があります。
勤怠管理ツールの導入は労働条件の変更を伴う場合があります。導入前に社会保険労務士に相談し、就業規則の改定が必要かどうかを確認しておきましょう。厚生労働省の労働時間制度に関するページも参考になります。
移行期間を設ける
既存の管理方法からの切り替えは、1〜2ヶ月の並行運用期間を設けるのが安全です。旧システムと新ツールの両方で打刻を行い、データの整合性を確認してから完全移行しましょう。

コスト比較のまとめ
ユーザー単価で比較
主要サービスのユーザー単価を一覧で整理します(従業員1名あたりの月額料金)。
- HRMOS勤怠:無料(30名以下)/ 100円〜(有料プラン)
- ジョブカン:無料(10名以下)/ 200円〜
- KING OF TIME:300円
- freee勤怠管理Plus:300円
- タッチオンタイム:300円
従業員50名の場合、ジョブカンなら月額10,000円、KING OF TIMEなら月額15,000円が目安です。年間コストで見ると差が大きくなるため、長期的な視点で比較検討することが大切です。
まとめ
勤怠管理ツールの選択は、打刻方法・給与連携・法令対応・企業規模の4つの軸で検討するのが基本です。ジョブカンやKING OF TIMEは汎用性が高く幅広い企業に対応できますが、freeeやマネーフォワードを軸にバックオフィスを統一管理している企業であれば、同一プラットフォームの勤怠管理ツールを選ぶのが効率的です。
まずは無料プランや無料トライアルで操作感を確認し、現場の従業員にも使い勝手を評価してもらいましょう。働き方改革への対応という点でも、適切な勤怠管理ツールの導入は企業にとって避けて通れない投資です。日本商工会議所の公式サイトでも中小企業向けのIT活用事例が紹介されていますので、参考にしてください。



