経費精算は多くの企業にとって「面倒だけど避けられない業務」の代表格です。紙の領収書を集めて、Excelに入力して、上司に承認をもらって……というアナログなフローに時間を取られていませんか。経費精算ツールを導入すれば、こうした煩雑な作業を大幅に効率化できます。
しかし、経費精算ツールは数多く存在しており、「どれを選べばいいか分からない」「自社の規模に合ったツールはどれか」と迷ってしまう方も少なくありません。料金体系も従業員数ベースのものから固定料金制のものまでさまざまで、比較検討に時間がかかりがちです。
この記事では、主要な経費精算ツールを機能・料金・使いやすさの面から比較し、企業規模や用途に応じた最適なサービスの選び方を解説します。

経費精算ツールとは
従来の経費精算の問題点
紙の申請書やExcelベースの経費精算では、以下のような問題が発生しがちです。
- 領収書の紛失や添付忘れが頻発する
- 手入力によるミスや転記ミスが起きる
- 承認者への回付に時間がかかる
- 月末に申請が集中して経理部門がパンクする
- 経費データの集計・分析に手間がかかる
経費精算ツールは、これらの課題をデジタル化によって解決するクラウドサービスです。スマホでの領収書撮影、ワークフローによる承認、会計ソフトへの自動連携などの機能で、経費精算業務を効率化します。
導入のメリット
経費精算ツールを導入することで、以下のようなメリットが得られます。
- 申請から承認までの時間が平均60〜80%短縮
- 手入力ミスの削減による経理業務の品質向上
- 電子帳簿保存法への対応(領収書の電子保存)
- リアルタイムでの経費データ把握と予算管理
- リモートワーク環境でもスムーズな精算フロー
おすすめ経費精算ツール比較
楽楽精算
株式会社ラクスが提供する国内で多くの企業に導入されている経費精算ツールです。累計導入社数は15,000社以上と豊富な実績を持ち、中小企業から大企業まで幅広い規模に対応しています。
交通費の自動計算、ICカード連携、領収書のOCR読み取りなど基本機能が充実しているのはもちろん、承認ワークフローのカスタマイズ性が高い点も評価されています。
- 料金:月額30,000円〜(初期費用100,000円〜)
- 強み:国内トップクラスの導入実績、ワークフローの柔軟性、手厚いサポート
- 向いている企業:従業員50名以上の中堅〜大企業
マネーフォワード クラウド経費
マネーフォワードのバックオフィスサービス群の一つで、会計ソフトとのシームレスな連携が最大の強みです。経費精算データがそのまま会計仕訳に反映されるため、二重入力の手間が完全に解消されます。
- 料金:月額2,980円〜(法人向けスモールビジネスプラン)
- 強み:会計ソフトとの連携、料金の手頃さ、スマホアプリ
- 向いている企業:マネーフォワード クラウド会計をすでに利用中の企業
freee経費精算
freeeの経費精算機能は、freee会計と一体化して提供されています。経費の申請から承認、仕訳の自動生成までワンストップで完結するのが特長です。
- 料金:freee会計の料金に含まれる(法人向けミニマムプラン月額2,680円〜)
- 強み:freee会計との完全統合、初心者向けUI
- 向いている企業:freee会計をすでに利用中のスタートアップ・小規模企業

ジョブカン経費精算
株式会社DONUTSが提供するジョブカンシリーズの一つです。ジョブカン勤怠管理やジョブカン給与計算と組み合わせることで、バックオフィス業務を統合的に管理できます。
- 料金:月額400円/ユーザー
- 強み:ユーザー単価の安さ、ジョブカンシリーズとの連携
- 向いている企業:ジョブカンシリーズを利用中の企業、コスト重視の中小企業
TOKIUM経費精算(旧レシートポスト)
株式会社TOKIUMが提供する経費精算ツールで、領収書の代行入力サービスが付帯しているのが最大の特長です。領収書を撮影して送るだけで、オペレーターが金額・日付・取引先を正確に入力してくれます。
- 料金:要問い合わせ(企業規模に応じた見積もり)
- 強み:領収書の代行入力、高い入力精度、電帳法対応
- 向いている企業:領収書が大量に発生する企業、入力の手間を徹底排除したい企業
選び方のポイント
企業規模に合わせて選ぶ
経費精算ツールは、企業規模によって最適な選択肢が異なります。
- 10名以下:freee経費精算やマネーフォワード クラウド経費(会計ソフトに付帯する形で十分)
- 10〜50名:ジョブカン経費精算やマネーフォワード クラウド経費(ユーザー単価を意識)
- 50名以上:楽楽精算やTOKIUM経費精算(ワークフローの柔軟性や高度な機能が必要)
従業員が少ない段階では、会計ソフトに付帯する経費精算機能で十分対応できます。従業員が増えて承認フローが複雑になってきたら、専用ツールへの移行を検討しましょう。
既存システムとの連携を確認する
すでに会計ソフトや給与計算ソフトを利用している場合は、そのサービスと連携可能な経費精算ツールを選ぶのが鉄則です。データの二重入力を避けることで、ミスの防止と業務効率の向上を同時に実現できます。
スマホ対応を重視する
営業職が多い企業や外出の多い従業員を抱える企業では、スマホアプリの使い勝手が重要なポイントになります。領収書の撮影、交通費の申請、承認の確認といった操作がスマホでスムーズに行えるかどうかを確認しましょう。

電子帳簿保存法への対応
経費精算ツールと電帳法の関係
電子帳簿保存法の改正により、電子取引のデータ保存が義務化されています。メールで受領した請求書やWebからダウンロードした領収書は、電子データのまま保存する必要があります。
主要な経費精算ツールはいずれも電子帳簿保存法に対応していますが、対応レベルには差があります。タイムスタンプの自動付与、検索要件への対応、訂正削除の記録機能など、法令要件を満たしているかを確認しておきましょう。国税庁の電子帳簿保存法特設ページで最新の要件を把握できます。
ペーパーレス化のメリット
経費精算ツールの導入をきっかけに、紙の領収書をスキャンして電子保存に切り替える企業が増えています。ペーパーレス化により保管スペースの削減と検索性の向上を同時に実現でき、内部統制の強化にもつながります。
導入時の注意点
運用ルールを明確にする
ツールを導入しても、運用ルールが曖昧だと効果を発揮しません。「いつまでに申請するか」「承認のフローはどうするか」「例外対応はどう処理するか」を事前に決めておくことが重要です。
トライアル期間で現場の声を聞く
経費精算は全従業員が使うツールです。経理部門だけでなく、実際に経費を申請する現場の従業員にもトライアル期間中に操作してもらい、使いやすさを確認してもらいましょう。
経費精算ツールの導入初期は、一時的に作業量が増加する場合があります。旧フローからの移行期間を1〜2ヶ月見込んでおくと、スムーズに切り替えられます。
段階的な導入を検討する
全社一斉導入が難しい場合は、特定の部門から段階的に導入するのも有効な方法です。先行導入部門での運用ノウハウを蓄積してから全社展開することで、トラブルを最小限に抑えられます。
経費精算ツールの選定に迷った場合は、各サービスの公式サイトから資料請求やデモの申込みが可能です。楽楽精算の公式サイト(https://www.rakurakuseisan.jp/)では、導入事例も多数公開されています。

まとめ
経費精算ツールは、アナログな精算業務を効率化し、経理部門と現場の双方の負担を軽減する強力なサービスです。楽楽精算のような大規模向けからジョブカンのようなコスト重視のものまで、選択肢は豊富に揃っています。
選び方のポイントは、企業規模・既存システムとの連携・スマホ対応の3つです。すでに会計ソフトを導入しているなら、同じメーカーの経費精算ツールを選ぶことで連携の恩恵を最大限に受けられます。まずは無料トライアルで操作感を確認し、現場のフィードバックを得てから導入を決定しましょう。



