kintone(キントーン)を導入したものの、「何から始めればいいか分からない」「アプリの作り方がイメージできない」と戸惑っている初心者の方は少なくありません。
kintoneは「ノーコードでアプリが作れる」と聞くと簡単そうに思えますが、最初の一歩を踏み出すまでにちょっとしたコツが必要です。逆に言えば、基本操作を一度覚えてしまえば、あとは応用で様々なアプリを作れるようになります。
この記事では、kintone初心者が最初に知っておくべき基本操作から、実際にアプリを作成する手順、そして業務で使いこなすためのコツまでを順を追って解説します。

kintoneの基本を理解しよう
kintoneの3つの基本要素
kintoneを使いこなすには、まず3つの基本要素を理解する必要があります。
- アプリ:業務データを管理する「入れ物」。顧客管理アプリ、案件管理アプリなど、目的ごとに作成します
- レコード:アプリに登録する1件1件のデータ。Excelでいう「1行分のデータ」に相当します
- フィールド:レコードの中の各項目。「会社名」「電話番号」「担当者」などが個々のフィールドです
つまり、kintoneでアプリを作るとは「どんなフィールド(項目)を持つレコード(データ)を管理するか」を設計することに他なりません。Excelの表を設計するのと同じ感覚で取り組めます。kintoneの口コミや料金プランは以下の記事で詳しくまとめています。

ポータル画面の見方
kintoneにログインすると最初に表示されるのが「ポータル」画面です。ここには作成済みのアプリ一覧、お知らせ、通知などが表示されます。ポータルからアプリを開いたり、新しいアプリを作成したりするのが基本的な操作の流れです。
スペースとは
「スペース」は、プロジェクトやチーム単位でアプリやメッセージをまとめるための場所です。たとえば「営業チーム」スペースの中に「案件管理アプリ」「顧客リストアプリ」「日報アプリ」を配置する、といった使い方をします。


最初のアプリを作ってみよう:顧客管理アプリの例
ステップ1:アプリを新規作成する
ポータル画面の右上にある「+」ボタンをクリックし、「はじめから作成」を選びます。テンプレートから作成する方法もありますが、仕組みを理解するために最初は「はじめから作成」を選ぶことをおすすめします。
アプリ名を入力する画面が表示されるので、「顧客管理」と入力します。ここで入力した名前がアプリの一覧に表示されます。
ステップ2:フィールドを配置する
アプリの編集画面が開いたら、左側のフィールド一覧から必要な項目をドラッグ&ドロップで配置していきます。顧客管理アプリの場合、以下のフィールドを配置するのがおすすめです。
- 文字列(1行):会社名、担当者名、メールアドレス
- 文字列(複数行):備考・メモ
- 電話番号:電話番号
- ドロップダウン:ステータス(新規・商談中・成約・失注)
- 日付:最終連絡日
- 添付ファイル:関連資料
フィールドを配置したら、各フィールドの歯車アイコンをクリックして「フィールド名」を設定します。たとえば「文字列(1行)」のフィールド名を「会社名」に変更する、という操作です。
フィールドの配置順はあとから自由に変更できます。最初は「必要そうな項目をとりあえず全部置く」くらいの気持ちで大丈夫です。実際に使いながら不要な項目を削除したり、足りない項目を追加したりしていきましょう。
ステップ3:フォームを保存してアプリを公開する
フィールドの配置が完了したら、画面上部の「フォームを保存」ボタンをクリックします。続けて「アプリを公開」ボタンを押すと、アプリが利用可能な状態になります。
この時点でアプリの基本形は完成です。ここまでの操作は慣れれば5分程度で完了します。
ステップ4:レコードを登録してみる
公開されたアプリを開き、「+」ボタンでレコードの新規登録画面を表示します。各フィールドに情報を入力して「保存」を押せば、1件目のデータが登録されます。
既存のExcelデータがある場合は、CSVファイルを使って一括インポートすることも可能です。アプリ設定画面から「ファイルから読み込む」を選択し、CSVファイルをアップロードするだけです。


アプリをもっと便利にするカスタマイズ
一覧表示の設定
アプリを開いたときに表示されるレコードの一覧画面は、カスタマイズが可能です。「アプリの設定」→「一覧」から、表示するフィールドの選択・並び順の変更・フィルター条件の設定ができます。
たとえば「ステータスが”商談中”のレコードだけを表示する一覧」を作れば、今注力すべき案件がひと目で分かるようになります。複数の一覧を作成して、タブで切り替えて使うことも可能です。
プロセス管理(ワークフロー)の設定
kintoneの強力な機能の一つが「プロセス管理」です。レコードの状態を「申請→承認→完了」のようなフローで管理できます。稟議・経費精算・発注申請など、承認が必要な業務プロセスをkintone上で完結させることが可能です。
設定方法は「アプリの設定」→「プロセス管理」から、ステータスの一覧とステータス間の遷移を定義するだけです。承認者の指定や、条件分岐(金額によって承認ルートを変えるなど)も設定できます。
通知の設定
レコードが追加・更新されたときに通知を送る設定ができます。「新しい案件が登録されたらチーム全員に通知」「ステータスが”承認待ち”になったら上司に通知」といった設定が可能です。
通知を適切に設定しておけば、kintoneを開いていなくても重要な更新を見逃さない仕組みが作れます。
グラフ表示でデータを可視化
蓄積されたデータをグラフで可視化する機能も標準搭載されています。円グラフ・棒グラフ・折れ線グラフ・クロス集計表など、多様なグラフ形式に対応しています。プロジェクト管理ツール全般のおすすめ比較は以下の記事をご覧ください。



「ステータス別の案件数を円グラフで表示」「月別の受注金額を棒グラフで表示」など、経営や業務の分析に役立つダッシュボードを作成できます。
グラフ表示はアプリ内のデータに限定されます。複数アプリにまたがるデータの集計・分析を行いたい場合は、「アプリ間のルックアップ」や外部BIツールとのAPI連携を検討してください。


テンプレートを活用して効率化
kintone公式テンプレートの活用
kintoneには100種類以上の公式アプリテンプレートが用意されています。顧客管理・案件管理・問い合わせ管理・勤怠管理・在庫管理など、よくある業務アプリをゼロから作る必要はありません。
テンプレートを選択してアプリを作成し、自社の業務に合わせてフィールドを追加・変更するのが最も効率的な方法です。テンプレートには適切なフィールド構成やプロセス管理の設定があらかじめ含まれているため、設計の手間が大幅に省けます。
参考:kintone アプリテンプレート一覧(kintone.cybozu.co.jp・サイト終了)
Excelからアプリを作成する
既存のExcelファイルをアップロードするだけで、自動的にアプリが作成される機能もあります。Excelの列がフィールドに、行がレコードに変換されます。「今Excelで管理しているデータをそのままkintoneに移したい」という場合に便利です。
初心者がつまずきやすいポイントと対策
フィールドの種類を間違える
最も多い失敗が「フィールドの種類の選び間違い」です。たとえば、金額を管理するフィールドに「文字列(1行)」を選んでしまうと、集計やグラフ表示ができません。金額は必ず「数値」フィールドを使いましょう。
フィールドの種類は後から変更できないものもあるため、最初に正しく設定することが重要です。迷った場合はkintoneのヘルプドキュメントで各フィールドの用途を確認してください。
アクセス権限の設定を忘れる
アプリを作成した直後は、同じ環境のすべてのユーザーがアプリを閲覧・編集できる状態です。人事情報や給与データなど、閲覧制限が必要なアプリは、必ずアクセス権限の設定を行ってから運用を開始してください。
最初から完璧を目指しすぎる
kintoneの最大の強みは「運用しながら改善できる」ことです。最初から完璧なアプリを作ろうとすると、設計に時間がかかりすぎて導入が進みません。まずは最低限の項目でアプリを作り、使いながら「こういう項目も欲しい」「この一覧があると便利」と気づいたタイミングで改良していくのが正解です。
まとめ:まずは1つアプリを作ってみよう
kintoneの使い方を理解する最短ルートは、「実際にアプリを1つ作ってみること」です。顧客管理・日報・問い合わせ管理など、身近な業務をテーマにアプリを作成してみてください。
基本操作はフィールドの配置→保存→公開の3ステップで、プログラミングの知識は一切不要です。作ったアプリは何度でも修正・改良できるので、失敗を恐れずにどんどん試してみましょう。慣れてきたら、プロセス管理やグラフ表示などの応用機能にも挑戦してみてください。



