オフィスの固定電話、毎月の通信費が地味に痛いと感じている中小企業の経営者や担当者は少なくありません。従来のビジネスフォンは導入に数十万円、保守にも費用がかかり、オフィスの移転やレイアウト変更のたびに配線工事が必要でした。
そこで注目されているのがクラウドPBXです。インターネット回線を使って電話機能をクラウド上で管理するため、物理的な主装置が不要になり、スマートフォンやPCからでも会社番号での発着信が可能になります。テレワークが定着した今、場所を選ばず電話対応できる点は大きな強みです。
この記事では、クラウドPBXの料金体系をわかりやすく整理したうえで、中小企業が失敗しない選び方のコツを紹介します。サービスごとの特徴も比較しているので、導入検討の参考にしてみてください。

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クラウドPBXとは?従来のビジネスフォンとの違い
クラウドPBXの基本的な仕組み
クラウドPBXとは、従来オフィスに設置していた電話交換機(PBX)の機能をクラウド上に移したサービスです。インターネット回線を介して通話するため、物理的な機器の購入や設置工事が不要になります。社員のスマートフォンに専用アプリを入れるだけで、会社の代表番号での発着信が可能です。
従来型ビジネスフォンとの比較
従来型のビジネスフォンは、主装置と電話機の購入に20万~100万円以上かかるのが一般的でした。さらに、設置工事費や保守費用も必要です。一方、クラウドPBXは初期費用が0円~5万円程度、月額は1IDあたり1,000円~3,000円程度が相場となっており、コスト面で大きな差があります。
2035年にはNTTのメタル回線(アナログ回線)が廃止される予定です。いずれIP回線への移行が必要になるため、今のうちにクラウドPBXへ切り替えるのは合理的な判断といえます。
クラウドPBXの料金体系を理解しよう
初期費用
クラウドPBXの初期費用は、サービスによって0円のものから5万円程度のものまで幅があります。従来型では機器購入だけで30万~40万円かかっていたことを考えると、初期コストは大幅に抑えられるのが特徴です。
月額基本料金
月額料金は1ユーザーあたり1,000円~3,000円程度が相場です。多くのサービスでは、基本料金のほかにID数に応じた従量課金が加わる形になっています。5人~30人規模の企業であれば、月額5,000円~35,000円程度に収まるケースが多いです。
通話料金
通話料金は別途かかるのが一般的で、固定電話への通話は3分8円前後、携帯電話への通話は1分15円~17円前後が目安です。一部のサービスではかけ放題プランを提供しているものもあります。
オプション費用
IVR(自動音声応答)、通話録音、コールセンター機能などのオプションは、別途月額数百円~数千円がかかります。基本料金だけで判断せず、必要なオプションを含めたトータルコストで比較することが大切です。
あわせて見落としやすいのが手元の機材です。PCから通話するスタイルに変えるなら、受話器の代わりになるヘッドセットが1人1台必要になります。両耳タイプはまわりの音を拾いにくく、電話対応の多い席で選ばれています。


中小企業におすすめのクラウドPBXサービスを比較
MOT/TEL(モッテル)
株式会社バルテックが提供するクラウドPBXで、累計27,000件以上の導入実績があります。大人数で利用すると1人あたりの単価が業界でもトップクラスに低くなるのが強みです。オンプレミスとクラウドのハイブリッド構成にも対応しており、通話品質にこだわる企業に向いています。FAX機能やチャット機能も搭載されているため、電話以外の社内コミュニケーションも一元化しやすいのがポイントです。
03plus
グラントン株式会社が提供するサービスで、03plusエンタープライズは1IDあたり月額1,280円から利用可能です。ユーザー追加は月額900円/IDと比較的手頃な価格設定になっています。市外局番(03や06など)の取得が可能で、番号ポータビリティにも対応。FAXのクラウド送受信や、Web電話帳といった中小企業にうれしい機能が標準装備されています。
BIZTEL ビジネスフォン
株式会社リンクが提供する国産クラウドPBXで、月額利用料は21,000円/40ID~、初期費用50,000円/40ID~の料金体系です。コールセンター向けの機能が充実しており、電話業務のボリュームが大きい企業に向いています。24時間365日の電話サポートも付いており、トラブル時の安心感があります。
トビラフォン Cloud
トビラシステムズ株式会社が提供するサービスで、基本セット初期費用30,000円、月額3,000円からスタートできます。独自の迷惑電話フィルタリング機能を搭載しており、営業電話のブロックが可能です。小規模オフィスでの利用を想定した設計で、導入のハードルが低いのが特徴です。
中小企業がクラウドPBXを選ぶときのチェックポイント
通話品質は安定しているか
クラウドPBXはインターネット回線を使うため、回線の品質がそのまま通話品質に直結します。導入前に無料トライアルやデモを活用して、実際の通話品質を確認するのが鉄則です。特に、社内のインターネット回線の帯域が十分かどうかも事前にチェックしておきましょう。
回線そのものは速いのに音が途切れる場合、原因が数年前のルーターにあるということも珍しくありません。同時接続台数が増えると処理が追いつかなくなるため、Wi-Fi 6対応の機種に入れ替えて改善したという例もあります。
既存の電話番号を引き継げるか
現在使っている電話番号をそのまま使えるかどうかは、切り替え時の大きな判断材料です。番号ポータビリティ(LNP)に対応しているサービスを選べば、番号変更の告知コストを省けます。ただし、すべての番号が移行できるわけではないため、事前にサービス提供会社に確認が必要です。
必要な機能が備わっているか
IVR(自動音声応答)、通話録音、転送機能、保留・パーク保留など、自社の業務に必要な機能が標準搭載されているかオプションかを確認しましょう。オプション料金が積み重なると、想定以上のコストになることがあります。
サポート体制は充実しているか
電話システムは業務の基盤です。障害が起きた際にすぐ対応してもらえるサポート体制があるかどうかは、見落としがちですが非常に重要なポイントです。電話・チャット・メールなど、どの窓口でサポートを受けられるか、対応時間はいつかを事前に確認しておきましょう。


クラウドPBXの導入とあわせて、Web会議の機材も見直しておくと社内コミュニケーションが格段に向上します
クラウドPBX導入時の注意点
インターネット回線の見直しが必要な場合がある
クラウドPBXは通信品質がインターネット回線に依存します。回線速度が遅かったり、帯域が不安定だったりすると、通話中に音声が途切れるなどの問題が発生します。導入前に、社内ネットワークの帯域が十分かどうかを確認し、必要に応じて回線の増強を検討しましょう。
電話を使う席だけでも有線に戻すと安定する、というのはよくある話です。配線を引き直すなら規格にも目を向けておくと後々まで使えます。カテゴリ6A以上のLANケーブルなら10Gbpsまで対応できるため、次の回線更新にもそのまま持ち越せます。
緊急通報(110・119)に対応していないサービスがある
一部のクラウドPBXでは、110番や119番などの緊急通報ができない場合があります。社員の安全にも関わるポイントなので、導入前に必ず確認してください。対応していない場合は、緊急通報用に別途携帯電話を用意するなどの対策が必要です。
FAXの送受信方法も確認しておく
従来型のFAX機を使っている企業は、クラウドPBXへの移行でFAXがどうなるかも重要です。クラウドFAX機能が標準搭載されているサービスもあれば、別途オプション契約が必要なサービスもあります。取引先とのFAXのやり取りが多い場合は、事前にFAX対応を確認しておきましょう。
クラウドPBXの契約は年単位の縛りがあるケースが多いです。解約条件や最低利用期間を契約前に必ず確認し、想定外の違約金が発生しないように注意しましょう。
クラウドPBX導入で得られるメリット
コスト削減効果
ハードウェアの購入費・設置工事費が不要になるため、初期費用を大幅に圧縮できます。また、拠点間の内線通話が無料になるサービスが多く、複数の拠点を持つ企業では通話料の削減効果も期待できます。
働き方の柔軟性が向上する
スマートフォンで会社番号の発着信ができるため、テレワーク中でもオフィスにいるのと同じ電話対応が可能です。出張先や外出先からでも内線を受けられるので、電話の取りこぼしが減り、顧客対応の質が向上します。
増設・移転が容易
従来型のビジネスフォンでは、社員の増減やオフィス移転のたびに工事が必要でした。クラウドPBXなら、管理画面からIDを追加するだけで済みます。成長中の企業や、拠点を増やす予定のある企業には、この柔軟性は大きな強みです。
よくある質問
クラウドPBXに切り替えると今の電話番号はどうなる?
多くのサービスでは番号ポータビリティに対応しており、既存の電話番号をそのまま引き継げます。ただし、番号の種類や取得方法によっては引き継げないケースもあるため、契約前にサービス提供会社へ確認してください。
スマートフォンだけで運用できる?
可能です。専用アプリをインストールすれば、スマートフォンを会社の電話機として使えます。IP電話機や固定端末と併用することもできるので、受付にはIP電話、営業スタッフにはスマートフォンという使い分けも柔軟にできます。
外回りが多い場合は、スマホを耳に当てずに通話できる状態を作っておくと現実的です。マイク付きのBluetoothイヤホンがあれば、移動中や車内でも着信を取りこぼしにくくなります。
通話品質は固定電話と同じレベル?
インターネット回線の品質に左右されるため、光回線など安定した回線環境が整っていれば、固定電話と遜色ないレベルの通話品質が得られます。無料トライアル期間を活用して、自社の環境で問題ないか試してみるのがおすすめです。


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まとめ
クラウドPBXは、従来型のビジネスフォンと比較して初期費用・月額費用ともに大幅にコストを抑えられるサービスです。スマートフォンで会社番号の発着信ができるため、テレワークや外出先での電話対応もスムーズになります。
中小企業がクラウドPBXを選ぶ際は、月額料金だけでなく、通話品質・番号ポータビリティ・サポート体制・オプション費用のトータルで判断することが重要です。まずは無料トライアルを活用して、自社の業務環境に合うかどうかを確認してみてください。
クラウドPBXの導入事例は、総務省の電気通信番号に関する情報や、ASCII.jpのクラウドPBX特集記事でも詳しく紹介されています。また、アスピックのクラウドPBX比較記事も参考になります。
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